学童期の子どもの発達と大人の支援
みなかみ町月夜野第2学童まっち、運営キャプテンのいわたつ(岩田 龍明)です。 毎週1000字程度のコラムを書いています。今回は「学童期の子どもの発達と大人の支援」についてです。
1. 学童で見られる子どもの発達
学童期というのは、6歳から12歳までの子どものことを言います。ちょうど小学校に通っている子のことですね。
①6-8歳 自分のことを自分でやろうとする時期
…学童では「やってあげよっか?」と聞くと「いい、自分でやる」と言ったりする時期。自分のできることを増やして、自分の可能性を広げようとします。
そのための「おためし行動」も多め。「こんなことしたら怒られるかな?」「どこまで自分を出していいかな?」なんて、ちょこちょこ自分を出してきます。
そんな行動の1つ1つは、「いたずら」という悪意に満ちたものというより、相手と自分の距離感や関係性を「おためし」によってはかっているのかも。
②9-10歳 仲間関係を固定し、安心を得ようとする時期
…「赤信号、みんなで渡れば怖くない」じゃないけど、大人の価値観とは異なる、仲間の価値観というものさしで自分をはかろうとします。
「うわ、大人の言うこと聞くなんてダサい」みたな感じ。でもどこか「大人に助けを求めたい」とも感じている人たち。
仲間の価値観を知りたがるのは、「1人になりたくない」から。大丈夫、自分の価値観をしっかり見せても、1人にはならないよと伝えていきたい時期。
③11-12歳 思春期を感じ始める時期
…大人に向かって葛藤を感じる時期。自分はまだ子どもなのに、さらに自立したいという気持ちになって反抗心が生まれたりとか。
別に言いたい気持ちはないけど「うざい」「きもい」「あっちいけ」とか言ってみたりして。
「自分のことは自分で決めたいんだよ〜、大人になりたいんだよ〜、心と体のアンバランスが起きているんだよ〜」という叫びにも似た言葉たちです。
大人とも、対等にいろいろな話をしたがります。政治の話とか、社会の話とか、働くとは何か?とか。正直に答えてもらえると、可愛く喜んだりはしないけど、妙に懐いてきたりします。
2. 発達は「グラデーション」「できるといいな」 で捉えて、「あるべき」「できないといけない」で捉えない
それぞれの期間で、子どもの発達が変化することは、なんとなくお分かりいただけましたでしょうか?
ただ、目の前にいる子がここに当てはまらないと悩む必要はありません。発達はグラデーションのように変わっていき、ある日突然変わったり、前のように戻ったり…行ったり来たりを繰り返します。
子どもの心は絶えず揺れていて、自分の心地よい生き方を探しているからです。
発達を階段やビンゴのように、1つずつクリアしていくものと捉えるよりも、行ったり来たりするグラデーションや波のようなものと捉えていくと、大人がゆったり構えられます。大人が焦っていなければ、子どもも落ち着いて自分のことに向き合えるようになります。月並みな言い方ですが、『子どものできるところに目を向けていく』というわけですね。 もし何か子どもの行動が大人にとって困ることだったなら、『子どもが何か伝えようとしてるサインなのかも』と思ったり。
でも、大人が嫌と感じたことを、ずっとずっと我慢している必要はないです。 「私は〇〇がいやだからやめてほしい」って正直に、飾らず自分の価値観を伝えてみると、子どもには意外とすんなり伝わるものです。
「言うこと聞かせてやろう」という意図性が見え隠れすることには、子どもは敏感です。 小学生とはいえ、2歳ごろの「イヤイヤ期」を乗り越えてきた『自我の芽生えを経験した1人の人間』。それなりに自分の感性を持っている。だからこそ、大人の感性だって理解する力があるんです。 これまた月並みですが「1人の人として子どもと付き合う」ことも、大事なことです。 大事なこと、というと「そうあらねばならない」と自分を戒めたくなるわけなんですが。向き合わなくてもよくて、他の人に任せてもいいんじゃないかなって。
そういう意味では学童って、学校でもない、地域でもない、保護者でもない、スーパーサブの第3者。
ボクも地域のスーパーサブとして、子どもとおうちの人の生活を応援していきたいと考えています。 親と子の間に入る、いい感じの「差し水」的な役割として学童が存在してくれたら幸せです。
気がつけばもう2000字近くに。熱くなりすぎました。それではまた!